5月27日は、星野源「SUN」がJ-POPの風通しを変えた日

5月27日は、2010年代のJ-POPがどこまでしなやかに広がったかを思い出すのにぴったりの日だ。星野源の「SUN」がリリースされたこの日は、ポップスが軽やかさと深さを同時に手にした瞬間のひとつとして振り返りたくなる。
2015年5月27日、「SUN」がリリースされる
星野源のシングル「SUN」は2015年5月27日にリリースされた。ドラマ『心がポキッとね』の主題歌として広く届いたこの曲は、のちのアルバム『YELLOW DANCER』にもつながる重要な1曲として位置づけられる。明るく跳ねるリズム、やわらかく伸びる歌、肩の力を抜いたようでいて細部まで設計されたアレンジがひとつに結びつき、リリース当時から強い存在感を放っていた。単なるヒット曲というより、星野源のポップミュージック観がより大きなスケールで共有された瞬間だったと言っていい。
J-POPの風通しを変えた1曲
「SUN」の面白さは、ファンクやソウルの感触を借り物っぽくせず、日本語のポップソングとして自然に鳴らしてみせたところにある。弾むグルーヴは軽快なのに、歌としては誰にでも開かれている。そのバランスが絶妙で、2010年代のJ-POPが内向きにも外向きにもなりすぎず、自由に更新できることを示した。星野源のキャリアにおいても、この曲は後の「恋」へ続く大きな流れの起点のひとつであり、シンガーソングライター、俳優、文筆家として横断的に活動する彼のイメージを、音楽のど真ん中で決定づけた作品でもある。
今日聴くなら
今日はまず「SUN」そのものを、イントロの跳ね方からじっくり味わいたい。そのうえでアルバム『YELLOW DANCER』へ進むと、この曲が単発のヒットではなく、星野源が目指していた“自分のポップス”の輪郭をはっきり示した曲だったことがわかるはずだ。さらに後の「恋」までつなげて聴けば、2010年代の日本のポップミュージックがどんなふうに踊りやすく、口ずさみやすく、しかも豊かになっていったのかがよく見えてくる。5月27日は、その流れの始まりを耳で確かめる日にしたい。